副業を始める人が増え確定申告の必要性も高まっています。しかし、いざ確定申告をしようとすると、「白色申告」と「青色申告」と2種類の確定申告があり違いを知る必要があります。この記事では、副業で得た収入を申告する際に重要な白色申告と青色申告の違いを、5つのポイントに絞って詳しく解説します。それぞれの特徴を理解することで、自分に最適な申告方法を選ぶことができます。
青色申告と白色申告の違い
副業をすると確定申告 いくらからの稼ぎで必要なのかということの次に、青色申告か白色申告のどちらになるのかということを考える必要があります。ここでは5つの大きなポイントからみる違いを紹介していきます。
項目 | 白色申告 | 青色申告 |
対象者 | 不動産所得、事業所得、山林所得 | 白色申告に加え、農業所得 |
事前申請 | 不要 | 開業届と青色申告承認申請書 |
記帳方法 | 簡易簿記 | 複式簿記 |
必要書類 | 確定申告書 | 確定申告書、青色申告決算書 |
税制上の優遇措置 | なし | 青色申告特別控除 (10万円・55万円・65万円) |
①対象となる所得の種類
白色申告と青色申告では、申告できる所得の種類に違いがあります。
- 白色申告: 事業所得、不動産所得、山林所得、雑所得
- 青色申告: 上記に加え、農業所得
副業で得た収入が事業所得、不動産所得、山林所得、雑所得であれば、どちらの方法でも申告可能です。しかし、農業所得の場合は青色申告を選択する必要があります。
②事前申請の必要性
事前申請の必要性は、青色申告と白色申告を分ける大きな違いの一つです。青色申告を選択するには、事前に「青色申告承認申請書」を管轄の税務署へ提出する必要があります。提出期限は、青色申告の対象となる年の3月15日です。ただし、その年の1月16日以降に事業を開始した場合には特例が適用されます。3月15日の期限を過ぎても、事業開始から2カ月以内であれば提出が可能です。
一方、白色申告には事前申請は不要です。青色申告の承認申請を期限内に提出できない場また、合、その年の確定申告は白色申告で行うことになります。
③提出書類の違い
白色申告と青色申告では、提出書類に以下のような違いがあります。
項目 | 白色申告 | 青色申告 | 詳細 |
確定申告書 | 必須 | 必須 | 所得金額や控除額などを記載 |
収支内訳書 | 必須 | 必須 | 収入と支出を詳細に記載 |
青色申告決算書 | 不要 | 必須 | 青色申告の特別控除を受けるためには必須 |
必要書類 | 不要 | 場合により必要 | 減価償却資産の明細書など |
④帳簿の記帳方法
青色申告と白色申告では帳簿の記帳にも違いがあり、青色深刻では複式簿記、白色申告では簡易簿記となります。
青色申告に必要な複式簿記と呼ばれる方法は、取引の発生を「借方」と「貸方」の両面から記録する方法です。これは、正確な財務状況を把握するためには必要不可欠な方法ですが、専門知識や手間がかかります。
一方、白色申告は、簡易簿記と呼ばれる方法で記帳することができます。簡易簿記は、収入と支出を簡単にまとめたものであれば問題ありません。専門知識がなくても簡単に作成できるのがメリットです。
⑤税制上の優遇措置
青色申告は、白色申告に比べて帳簿付けなどが煩雑ですが、最大65万円の控除を受けられるなど、多くのメリットがあります。
最大65万円の節税
複式簿記で記帳し、電子申告または優良な電子帳簿保存を行うと、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。これは、白色申告にはない、青色申告者限定の控除です。
65万円控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 複式簿記で記帳する。
- 電子申告または優良な電子帳簿保存を行う。
複式簿記を行わない場合は、10万円控除となります。
赤字の3年間繰り越し
青色申告では、事業で赤字が出た場合、最大3年間その赤字を翌年以降の黒字と相殺して税負担を軽減できます。
メリット
- 一時的に赤字が出ても、将来的に黒字が出れば税金を軽減できる。
- 資金繰りの改善に役立つ。
青色事業専従者給与を経費に計上
青色申告では、一定の条件を満たせば、配偶者や親族に支払った給与を経費として計上できます。
メリット
- 人件費を節税できる。
- 家族の生活を支えることができる。
家事関連費を経費に計上
自宅の一部を事業用に使用している場合、家事関連費の一部を経費として計上できます。
メリット
- 事業経費を増やすことができる。
- 税負担を軽減できる。
減価償却の特例
取得価格が30万円未満の備品は、購入年に一括で経費として計上できます。
メリット
- 初期費用を抑えられる。
- 資金繰りを改善できる。
貸倒引当金の計上
回収できない可能性のある売掛金について、貸倒引当金を計上して損失を計上できます。
まとめ
白色申告と青色申告には対象者や必要書類など多くの違いが存在し、どちらを選択するかは、所得の金額、経費の有無、帳簿付けの負担などを考慮して決定する必要があります。また、青色申告は煩雑な手続きとなりますが、副業で得た収入を最大限に活かすためには、それぞれの申告方法の特徴を理解し、自分に最適な方法を選択することが重要です。
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